通勤快読ブックレビュー

電車の中は誰にも邪魔をされない私だけの図書館。何かいい本はないかとお探しのあなたのために。

プラ・バロック 【結城充孝】 (2011)

【あらすじ】

港湾地区の埋立地に置かれた冷凍コンテナから、14人の男女の凍死体が発見された。女性刑事クロハは事件を追い始めるのだが、それは始まりに過ぎず、想像を絶する深い闇への入口であった・・・

日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。

 【感想など】

小説の女性刑事というと、雪平夏見(「アンフェア」シリーズ)だったり、姫川玲子(誉田哲也氏の警察小説シリーズ)だったり、ちょっと男勝りでクールなイメージで、物語をギュッと引き締める感じがするのですが、この作品の主人公「クロハ」は、同じ女性刑事でありながら、ひ弱さを感じるキャラクターで、ネットの世界に逃避したりするメンタルの弱さもあり、そこに親近感を感じるというか、同じ目線で事件を感じる感覚になるというような効果を担っていると思います。

物語全体のトーンとしては、雨の降る夕暮れの都会のようなダークグレー で、空虚な無機質な雰囲気が漂うのですが、逆にそれが凄惨な事件、犯人との息詰まる攻防をくっきりと浮かび上がらせ、物語をスリリングな色合いに染め上げているのに一役買っているのではないでしょうか。

やはりクライマックスはラストの犯人との対峙シーンですね。様々な伏線が集結してすべての謎が解けて犯人を追い詰めていく過程の描写は、緊張感でゾクゾクします。

女性刑事クロハのシリーズは他にもありますが、またそれは機会がありましたら、ご紹介したいと思います。

【評価】

★★★★✩

【映像化】

2015年2月にテレビの2時間ドラマとして放送されています。私は見逃してしまったのですが、主人公のクロハは杏さんが演じられたとか。ちょっとイメージが違うのですが、機会があればぜひ見てみたいです。

 


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