通勤快読ブックレビュー

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キウイγ(ガンマ)は時計仕掛け 【森博嗣】 (2013)

【あらすじ】

建築学会が開催される大学に、「γ(ガンマ)」の文字が刻まれたキウイがひとつ届けられた。銀のプルトップが差し込まれており、あたかも手榴弾を模したようなそれは、誰がなぜ送ってきたのか。

その夜、同じくキウイを持った男に学長が射殺される。そして犯人を絞り込む間もなく、第二の殺人が起きる。犀川創平、西之園萌絵はこの事件の謎が解けるのだろうか・・・

【感想など】

この作品は、森博嗣氏の「Gシリーズ」と呼ばれる一連の作品の中の一作です。氏は、他にも「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」「四季シリーズ」などのシリーズものを執筆しており、実に多作な作家として知られています。

シリーズものということで、この一冊だけの評価というのが非常に難しいですね。登場人物の人となりが他の作品で語られていたり、事件の伏線の種明かしが他の作品で行われていたり、と、他の作品を知らない方が突然この一冊を読んでも、「はあ?」で終わってしまうことでしょう。

森博嗣氏は工学の博士号を取得しているバリバリの理系人間で、その作風も独特の味があります。情緒的なくどい言い回し過多の表現に縛られることなく、簡潔でスッキリとした文章で、非常に読みやすいのが特徴と言えるでしょう。

キャラクターも非常に魅力的です。特に、この作品にも登場しますが、多くの作品に探偵役で登場する、N大学教授の犀川創平、N大学建築学科の学生(後に准教授になる)の西之園萌絵の二人の佇まいというか空気感が独特で、作品全体の(殺人という事件が題材でありながらも)柔らかい、穏やかな雰囲気作りに欠かせないキャラクターとなっています。

森博嗣ワールドを体感してみようという方は、ぜひ「S&Mシリース」から読み進めてみてください。きっとハマってしまうこと間違いなしです。

【評価】

★★★★✩

【映像化】

「S&Mシリーズ」の「すべてがFになる」が、2014年にTV連続ドラマで放映されました(同シリーズの他の作品も含めて)。キャストは、犀川創平=綾野剛さん、西之園萌絵武井咲さんでした。なかなかいい配役だったのではないでしょうか。特に、武井咲さんのフワッとした感じ、清潔感が西之園萌絵にピッタリでしたね。

 


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